PC直ではなくNAS経由でクラウドストレージを利用するメリット

DropboxやOneDriveなどのクラウドストレージは
簡単にPCのデータと自動的に同期させることができますが、
NASのクラウドストレージ接続機能を使用すれば
NASを経由してクラウドストレージとデータを同期することができます。

そして、NASを経由させることで
PC直にはないメリットがいくつかあります。

1.PCのリソース消費がない

PC直だと専用のソフトが常駐することで
ファイルの追加や変更を察知して同期しますので
常にPCとサーバーを監視しています。
そこまで重くはないのですが
いくらかのリソースを常に消費している状態です。
1つだけなら重くなくても
複数のストレージサービスや複数のアカウントのデータをまとめて同期させたい場合は
たくさんの常駐ソフトが常に起動していることになり
PCへの負荷もバカにならなくなります。

NAS経由だと同期するのはNASなので
PCのリソース消費はまったくありません。
あるのはNASとのネットワーク接続だけです。

2.セキュリティが高まる

PC直の場合
クラウドストレージのIDとパスワードでデータを同期しますが
NAS経由だと
NASのIDとパスワードでNASに接続します。
PC上でクラウドストレージを意識することはありません。
世界中のどこからでもアクセスできるクラウドと
ローカルネットワーク上でしかアクセスできないNASとでは
IDとパスワードが盗まれたときの危険度が違います。

VPNで外部からNASにアクセスできるようにしていたとしても
まずVPNのIDとパスワードが必要ですし設定でアクセス制限をかけられます。

3.PCのセットアップが楽

PCを買い替えたり、OSを再インストールした際、
PC直だと
一度すべてのデータをクラウドからダウンロードしなければなりません。
(ブラウザからアクセスするだけなら不要ですが)
データが数百ギガバイトとかになるととても時間がかかります。
NAS経由なら
当然ですがPCにデータをダウンロードする必要がなく、NASに接続するだけ。
PCのセットアップがとても楽です。

4.スマホアプリもローカルネットワーク接続だから早い

ほとんどのクラウドストレージで
スマホ用のアプリが用意されていますが
クラウドなのでサイズの大きなファイルへのアクセスには
時間がかかったりします。
NASにもスマホからアクセスできるアプリが用意されているNASがあります。
たとえば自宅のNASの場合、
自宅でWi-Fiに接続していれば
スマホからNASへはローカルネットワークで接続できます。
外部のインターネットを介さないので早さが全然違います。
また、たいていのスマホにはVPN接続の機能がついていますから
外出先でもアクセスできます。

VPNで外部からローカルファイルのようにアクセスするには?

NASは基本的にローカルネットワーク上にありますが
VPNサーバーを構築すれば外部からNASにアクセスできます。
高機能なNASにはNAS自体にVPNサーバー機能がついているものもあります。
VPNで接続するメリットは
ローカルネットワーク上にあるかのように接続できることです。
たとえば、NASのローカルIPアドレス

でネットワークドライブを割り当てておき、
外出先でVPN接続すれば
ローカルネットワーク上と同じようにネットワークドライブが使えます。

NAS経由のデメリットは?

デメリットとしては
・高機能なNASが必要
・外出先からアクセスするにはルーターの設定が必要

ある程度のネットワークの知識が必要になりますが
調べれば情報は必ずあります。

NASがクラウドサービスに対応しているかは
メーカーのサイトで確認しましょう。
私が使っているのはこのNASです。

Synology DiskStation DS216j

ほとんどのクラウドストレージに対応しており、
VPNサーバー機能もついています。